腐ると熟成するの違い
- 概要 -
腐るは食べ物が各種細菌によって組織が破壊され、変質し、食べられなくなることを言う。熟成は発酵が十分に進んだ状態のことを言うが、発酵とは植物中の糖が分解されることで、腐敗ではない。
- 詳しい解説 -
腐るは食べものが各種の菌により組織が破壊されて変質し、食べられないような状態になることを言う。変色したり、悪臭を放ったりする。
熟成とは食べ物が十分に熟した状態になることで、特に発酵が十分に進み、食べ物にうまみが出ることを言う。
発酵とは麹菌や乳酸菌などの細菌（微生物）が食べ物を分解する働きのことで、みそや醤油、ヨーグルト、チーズなどを作る際に利用されているものである。この発酵の過程を十分に時間をかけて行うことが熟成させるということである。
腐る（腐敗）も発酵も食べ物の細菌による分解という点では同じであるが、作用する菌の種類が異なる。また、菌の種類が異なるゆえに、分解される対象も異なる。腐敗の場合は、食べ物のたんぱく質が分解され、アンモニアや硫化水素などの人体に有害なものや悪臭を放つものが生成される。発酵の場合は、食べ物の糖が分解され、乳酸やアルコールが生成される。この作用が人間にとっては有益なものであることから、人間は古来、発酵を利用し食品の保存性を高めたり、うまみの多い食品を作り出してきたのである。
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