該当と適合の違い

該当と適合の違い

- 概要 -

該当も適合もどちらも特定の条件や状況に当てはまることを言う語である。意味は同じであるが、適合は具体的なものに対して、該当は一般的に条件に対して合うということである。

- 詳しい解説 -

該当も適合もある特定の条件や事情、状況にぴったりと当てはまることを言う語である。例えば、「この条項に該当する行為は罰する」「患者のウイルス型に適合する抗ウイルス薬」のように「何かに合うもの」という意味で両者は全く同じ意味を持つものである。

しかし、該当と適合のそれぞれを文中で置き換えて使うことは可能かというとそうではない。それは、両者の文法上での使われ方が異なるからである。

上記の例文の中の該当と適合を入れ替えて「該当する行為」を「適合する行為」、「適合する抗ウイルス薬」を「該当する抗ウイルス薬」としても一応の意味は通じるが、本来的には不適切な使用方法となる。

これは、適合は、前段の部分に「具体的な事情」を必要とし、該当は、前段の部分に「条件そのもの」を必要とするからである。上記の例でいうならば、「この条項」は条件そのものであるから、該当が正しく、「患者のウイルス型」は具体的な事情であるから適合が正しいのである。

適合は具体的な事情に合う具体的な事情の時に用い、該当は先に条件があってそれに具体的な事情が当てはまる場合となる。

「いまの時代に適合する教育方法」(今の時代=具体的事情)、「この車種に適合する部品」(この車種=具体的事情)は適合であり、「下記の事項に該当する人は申し出てください」(下記事項=条件そのもの)、「お持ちの資格に該当する箇所に丸を付けてください」(資格の選択肢=条件そのもの)は該当が正しいものである。
「新しいと真新しい」「イルミネーションと夜景」「金歯と銀歯」などなど、世の中にははっきりと説明できないよく似た言葉や物事が私たちが思っているよりもかなり多く存在しています。私自身学生時代からそのようなよく似た言葉・物事の違いを意識的に発見しては辞書やネットで調べるということを日常的にしていて、それが一つのライフワークになっていました。ある時期からその趣味?ともいえる調査・分析にどっぷりと浸かりまして、これまでエクセルにまとめた二つの類似した違いをネット上で公開し始め、今では複数の方のお力もお借りして実に多くの類似した言葉・物事をネット上で公開することができています。日本語は実に複雑怪奇・・・!そして面白いなと思います。「私語と雑談の違い」「失礼と非礼の違い」「始末書と反省文の違い」「すなわちとつまりの違い」うむむ・・・、よくわかりませんね。知らなくても別に生活に困るわけではないけど分かっているとちょっと嬉しい二つの違い、お時間のある時に是非1つでも覗いていただければと思います。